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【BOCプロバイダーnote】 市民講座でオーラルフレイルを伝える理学療法士

お知らせ

こんにちは、BOCプロバイダーの石光です。

日頃から市民講座などでお話をしたり、体力測定を実施したり、病院だけではなく、地域(山口県)の方々との関わりを重んじている理学療法士です。  

今回のプロバイダーnoteでは、普段私が地域の方々にお話ししている「フレイル」についてご紹介します。

 

フレイルとは?  

フレイルとは、「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す“frailty”の日本語訳として日本老年医学会が提唱した用語です。  

フレイルは、要介護状態に至る前段階として位置づけられており、その原因は、身体が弱ることだけではなく、精神・心理的脆弱性や、社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えています。  

そこで、フレイルは大きく分けて3つ、「身体的フレイル」「社会的フレイル」「精神的(認知的)フレイル」にグループ分けができ、日本ではさらに「オーラルフレイル」という概念があります。

これらは互いに独立している訳ではなく,相互関係にあります(図1)。

 

図 1:フレイルの相互関係簡略図

 

特に私は、このオーラルフレイルが重要と考えており、その考えを分かりやすく理解するためには、フレイルドミノ(図2)が参考となります。

 

図 2:フレイルドミノ

 

1. まず、仕事や趣味などをはじめとする「社会との繋がり」がなくなると、生活範囲が狭まります。

2. 生活範囲が狭まれば、人とのコミュニケーションが減少し、認知・精神的な衰えが生じます。

3. また認知・精神的な衰えから、食に対する興味関心が薄れていきます。   

(食事は食べられるものを食べる行為となり、柔らかいものしか食べられなくなる。次第に食事を楽しむ気持ちが薄れていきます。)

4. 柔らかいものを食べる、噛まずに飲んでしまう、その結果、噛む力を始めとする口腔機能が低下し、消化管機能も衰えてしまいます。

5. その結果として栄養状態は不良となり、筋力量、身体機能が徐々に低下してしまうといった悪循環に陥ります。

 

身体機能が落ちる前に口腔機能が弱っている?  

つまり身体機能が弱る前から、口腔の機能は弱っている可能性があります。

口腔ケアや食事を通して、オーラルフレイルを早期に発見し予防することが大切です。

 

みんなでオーラルフレイルを予防しよう!  

日本はいま世界的に類を見ない超高齢社会の中にいます。その為、今後はますますこの「オーラルフレイルを早期に発見し予防する」ことの重要性が高まることが予想されます。口腔ケアを始め、オーラルフレイルについての知識は、医療・福祉に携わる方は理解しておく必要がありますので、ぜひ今後もBOCプロバイダーnoteをCheckしていただき、一緒に勉強しましょう!

 

<おまけ>

日本の平均寿命・健康寿命は、それぞれ単独でみると世界最高峰となっていますが、一方で、平均寿命と健康寿命に大きな隔たりを持つ国であるということも理解したいです(図3)。

 

図 3:健康寿命と平均寿命との差

WHO(2016):Life expectancy and Healthy life expectancy Data by country.