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耳鼻咽喉科×BOC

お知らせ

特別講師:笠倉奈津子先生(耳鼻咽喉科専門医)

 

今回の東京公演(7/2)は「耳鼻咽喉科と口腔ケア」をテーマに開講しました。

 

耳鼻咽喉科と歯科および口腔外科は、疾患や扱う領域がオーバーラップすることで知られています。まずは耳鼻咽喉科領域の中から特に歯科疾患に関連する病態や疾患、治療について教えていただきました。

たとえば、歯肉の腫脹(根尖性歯周炎)や頬部の腫脹(歯性感染症)、外歯瘻などは歯が原因の感染症です。耳鼻科を受診したとしても根本的な治療は歯科で行うことになります。また、上顎洞炎のような副鼻腔に炎症がある場合でも、鼻が原因である場合と歯が原因である場合があり、歯が原因の(歯性)上顎洞炎は歯科で治療が行われます。

歯が原因の感染症(歯性感染症)でも重症化し、頸部(頬部)蜂窩織炎となる場合があります。感染の拡大が気道狭窄や縦隔炎を引き起こすこともあり、早期の対応が求められます。

頸部のドレナージを行う際には、気道閉塞を考慮した気管切開が行われるケースがありますし、歯が原因の感染症であることから、口腔は歯科、咽喉頭は耳鼻科といったように、それぞれの得意分野で協力し診療を行う必要があります。

特に摂食・嚥下障害に対しては耳鼻咽喉科と歯科が適切に連携して診療を行うことが推奨されています。

 

頭頸部のがん治療に伴う合併症について詳しくご解説いただいました。

頭頸部がんは食事や発声、呼吸に直接的に関係する部位に発症するため、術後嚥下障害や構音障害など、QOLの著しい低下を招きます。そのため、がんを治すだけでなく、その先の生活まで考えて治療方針を決定する必要があります。

 頭頸部がん治療においては歯科との連携や周術期の口腔ケアがとても大切です。

例えば、前がん病変である白板症や扁平苔癬が口腔内にある場合は、歯が病変部に当たっていないかを確認する必要がありますし、もちろん口腔ケアが大切です。術前には口腔内の細菌を減らしておくことで術後の誤嚥性肺炎を予防したり創部感染症を予防する効果が期待できます。

 

頭頸部の放射線治療では、ほぼ100%の患者に口腔粘膜炎が発症すると報告されています。口腔粘膜炎の重症化予防および二次感染予防には、継続して適切な口腔ケアを行う必要があります。

口腔粘膜炎は潰瘍期に細菌が付着し炎症を起こすと考えられており、口腔ケアにより細菌数を減らすことが重要です。含嗽や保湿も重要です。

口腔粘膜炎発生後は、疼痛により口腔ケアが実施しづらい状況があり、有効な含嗽方法として、炎症を抑える薬剤(ハチアズレ)や鎮痛作用のある薬剤(キシロカインビスカス)を用いた方法を教えていただきました。

 

 

BOCプロバイダーの講座では、医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、栄養士などの専門家がそれぞれの専門領域と口腔(ケア)とを掛け合わせた講義を行っています。Facebookグループ内で全て配信しておりますので、引き続き学びを継続していただけたら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

〜お知らせ〜

【BOCアカデミー1期生募集のご案内】

2020年9月から、BOCプロバイダーを対象に、医学研究・看護研究をサポートする新しい講座「BOCアカデミー」が始まります。BOCアカデミーでは、研究の基礎から実践(論文投稿、アクセプトまで)を一人一人のレベルや環境にあわせてサポートしていきます(10名限定)。2020年7月31までお申し込みを受け付けておりますが、定員になり次第募集終了とさせていただきます。残席2名となっておりますので、お早めにお問い合わせください。

お問い合わせ先 : 訪問看護支援協会事務局 砂田