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「痛み」をテーマに東京公演(オンライン)
お知らせ6/4のBOCプロバイダー講座は「BOC×痛み」をテーマに開催しました。
口腔ケアを行う上では、患者さんの状態や周辺環境について配慮することが重要ですが、実際に行う手技や方法について実は大きな差はありません。例えば、認知症の方、糖尿病の方、心疾患がある方のケアを行う際に、それぞれの患者さんの歯磨きの仕方や粘膜の清掃、保湿の方法など、それぞれの手技に違いはありません。「いやそんなことないんじゃないか?声掛けとかいろいろ気をつけなきゃ」と思った方もいらっしゃると思います。もちろんその通りですが、違いは手技にあるわけではなく、ケアを行うまでの過程(ポジショニングや脱感作など)にあります。また糖尿病と歯周病の関係、心疾患と口腔細菌についての関係を知っている必要がありますが、口腔ケアの手技(歯ブラシの当て方、吸引方法など)は変わりません。
唯一口腔ケアの手技や患者さんへの触り方まで変えなければならない状態があるとすれば、それは「痛み」がある場合です。
例えば、口腔内に口内炎があって痛みがある、三叉神経痛の誘発部位があって触れない、口腔内にアロディニアがあり触れるだけで激痛が走る。
このような患者さんに対する口腔ケアは、痛みの理解と同時に、できるだけ痛みを誘発しないようなケアが求められます。
今回の講座では、痛みの種類(侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛など)から、それぞれの症状や全身疾患に伴う口腔内の痛み、神経障害などについて、症例を共有しながら学びました。
痛みは主観的なもので、「痛みがあるそのひと」にしかその痛みはわかりません。血液検査をしても痛みの程度はわかりませんし、定量的な評価方法も確立されていません。
口腔ケアをする際には、患者さんの表情を見ながら、自分のケアが痛みを誘発させていないか、増悪させていないか、たとえ口腔内に何の所見もなく一見正常に見えても、神経障害や感覚の変化を意識しながら行っていただきたいと思います。
次回は6/20大阪公演(オンライン)で、「BOC×摂食・嚥下リハビリテーション」をテーマに開催します。