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広島公演もオンラインで!
お知らせ本日はBOC広島公演の予定でしたが、広島での開催は見送りオンライン講座として開催しました。
対面講座では40名近くの方にお申し込みいただいておりましたが、その中でオンライン講座にご参加いただいた方は約20名でした。やはりオンライン講座に対する抵抗はあると思いますし、ワークショップなどは対面の方がやりやすいのも事実です。一方で、対面講座で手をあげて質問するよりもオンライン講座のチャット機能を用いて質問がしやすかったり、対面講座より講師との距離が近いと感じることもあります。どちらも一長一短ですが、今後もオンライン講座をうまく活用し、有益な情報を提供できるように勤めて参ります。
さて、本日のテーマは「口腔ケア×行動変容」。
ワシントン大学で認知行動療法や動機付け面接を研究されていた、歯科医師の加藤智崇先生に講師をお願いしました。
まずは行動医学的アプローチとして認知行動療法、交流分析、多理論統合モデル、動機付け面接の概念から、具体的なテクニックや話し方を症例提示から学びました。例えば、交流分析の5つのパターン(CP, NP, A, FC, AC)からそれぞれの特徴を理解し、相補交流、交差交流、裏面交流のシーンを共有しました。
動機付け面接は、人のアンビバレンス(甘いものを食べると太ってしまうのはわかっているんだけど食べてしまうなど)にフォーカスし、チェンジトークを引き出し強化するなど、依存症治療などに広く用いられている考え方です。歯周病のケアや継続的な口腔ケアなど、モチベーションの維持が重要なBOCの領域においても応用できるテクニックです。
例えば歯周病の治療には口腔衛生指導が重要ですが、口腔衛生指導を行ってから30日後にその指導内容を適切に継続して行っていた方の割合はたったの11%というデータがあります(Johansson et.al J Clin Periodontol 1984)。また、プラークコントロールの改善にブラッシング指導の方法や歯ブラシの形態については大きな影響はないとされており、指導方法ではなく「いかに動機付けをしモチベーションを維持させるか」が重要です。
今回の講座では、明日から使える口腔ケアに対する心構えと、患者さん自身やご家族に口腔ケアの重要性を伝える際に意識したい、行動変容を促す方法を学びました。共感的態度で受容し、口腔ケアに固執し無理強いすることなく、謙虚により実践的なエビデンス構築をしていきましょう。
本日もご参加いただきありがとうございました。次回は4月23日に皮膚科の青柳先生をお迎えして、「口腔ケア×皮膚科、口腔粘膜疾患」をテーマに行います。