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【勉強会開催報告】誤嚥性肺炎を防ぐために今できること

お知らせ

摂食嚥下障害認定看護師で、X(旧Twitter)やブログ等で、摂食嚥下に関するアセスメントやケアのコツ等の情報を発信されている看護師インフルエンサー「たかの先生」に誤嚥性肺炎について教えていただきました。

── そもそも誤嚥性肺炎とは?

まず、誤嚥性肺炎には2種類の基本形が存在します。
1つ目は「経口摂取に伴う誤嚥性肺炎」です。これは、ご飯を食べていなかったら予防できた誤嚥性肺炎のことを指します。
2つ目は「不顕性誤嚥」といい、唾液・胃酸などの分泌物が肺に入って起こる誤嚥性肺炎のことです。

—— 誤嚥性肺炎の治療はどのように行うのでしょうか?

抗菌薬治療や口腔ケア、また、摂食嚥下リハビリテーションを行います。嚥下機能を改善させる薬物療法を考慮したり、逆に嚥下困難が生じる薬剤の減量や中止を検討します。意識レベルを高めたり、栄養状態の改善を図ったりすることも大切です。
今回はこの中から、「口腔ケア」と「栄養状態の改善を図る」ことについて、詳しく説明します。

── 誤嚥性肺炎を防ぐために「口腔ケア」が重要!

口腔ケアによって口腔環境を整えれば、気管に入る細菌の数を減らすことで誤嚥性肺炎の予防に繋がります。
口腔ケアの効果的な実施方法としては、スポンジブラシを使う方法が一般的ですが、歯の汚れは落ちないので歯ブラシや歯間ブラシを使いましょう。また、口腔内を保湿するジェルを薄く塗って粘膜清掃を行うことも大切です。

── 誤嚥させない食事介助

誤嚥しないための食事介助を身に着ける必要もあります。推奨されているのは「30度リクライニング位」「頭頚部屈曲位」ですが、30度の測定がなかなか難しい方もいるでしょう。その場合はスマホの無料アプリなどを使って測ることもできます。スプーンの操作や一口量の調整などを行い、安全で効率的な食事介助を行いましょう。

また、一口食べて何度もむせる等の頻回なむせや湿性嗄声などがあったり、SPO2等呼吸状態の悪化が持続したりする場合は、経口摂取の一時的な中断や中止を検討する必要があるでしょう。

── 摂食・嚥下障害 これってどうなの?



よく聞かれる内容として「むせるから食事は中止しました」というものがあります。ですが、むせは異物を除去するための重要な防御反応ですので、むせ自体は悪いことではありません。大切なのは、そのせきで異物を除去できているかどうかということです。適切なとろみについても検討しましょう。

── こんな質問にも答えてくださいました!

Q.あまり口を開けてくれず嚥下が見えず、舌上に食物が入っているか不安です。
A.口が開かないというのは、準備期の障害ということですね。「パタカラ体操」というものを聞いたことがある方も多いと思いますが、食物の送り込みに使うのは「パ」と「カ」の発声なので、この2つがきちんと言えているのであれば、口腔期は問題がないと考えられ、ペースト食などをシリンジ介助するなどの方法が取れます。

Q.口腔粘膜ケアの効果的な実施方法を教えてください。
A.スポンジブラシを使う場合は、縦に回して粘膜の汚れを絡めとるようにします。歯の汚れを取るためには歯ブラシが必要ですが、どうしても使えない場合、推奨はしませんが、指に保湿剤をつけてガーゼで拭き取るという方法もあります。

たかの先生は最後に、プロ棋士 升田幸三氏の「踏まれても叩かれても、努力さえしつづけていれば、いつかは実を結ぶ」という言葉をご紹介くださいました。BOCグループ一同、今後も学びを継続して参りましょう。

次回のセミナーもお楽しみに!
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一般社団法人訪問看護支援協会認定「BOCプロバイダー」は、病院や在宅医療、訪問介護の現場で基本的な口腔ケアを行うBOCプロバイダーの認定資格講座です。

※BOC:Basic Oral Care
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